学芸員紹介:絹川一徳

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学芸員の紹介

絹川 一徳 KINUGAWA Kazunori

 

日本考古学(先史時代における石器製作技術と石器石材の流通研究)

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得意分野 旧石器時代、サヌカイト、石器製作技術
コメント  奈良県二上山や香川県五色台・金山で産出するサヌカイトは、旧石器〜弥生時代に近畿・瀬戸内地方を中心に石器石材として利用され、広く流通しました。このサヌカイトで作られた石器には石片を横長に剥がす特徴的な石割り方法が用いられています。遺跡から出土した石器遺物を手がかりとして、こうした石器製作技術やそれに関わる人間活動の解明が研究テーマです。サヌカイト原産地はいつから利用されたのか、横剥ぎの石器製作技術がどのように発達したのか、石材の入手から石器の製作・使用、廃棄に至る「石器の一生(ライフヒストリー)」に着目して研究を進めています。
おもな仕事

■現在、公益財団法人かながわ考古学財団に出向しています。

■考古学の世界に飛び込んだのは大学からです。高校の恩師の紹介で大学の考古学資料館に1年生の頃から出入りするようになりました。入学後まもなく、当時すでに名誉教授だった樋口清之先生の手伝いで、東京の渋谷にある○HKに連れて行かれ、「600こちら情報部」という番組で使う大きな黒曜石をコンテナ一杯に抱えて、迷路のように長い廊下をスタジオまで運んだり、○研の「○年の科学」の企画で、いきなり伊豆の海岸で縄文人の格好にさせられて銛突きで魚を捕ったりなど、忘れがたい...というより忘れたい体験もしました。東京都・神奈川県、新潟県、山形県や宮城県、そして徳島県など、あちこちで行われた発掘調査などに参加しながら、同年代の学生や研究者と交流するうち、石器に興味をもつようになりました。

■続いて考古学を学んだ場所は瀬戸内の岡山です。ここでは中国山地の脊梁部にある恩原遺跡の発掘調査に長らく加わりました。毎夏、赤トンボが舞い飛び涼風吹く高原での発掘は、のどかで浮き世離れした気分にさせてくれました。修士論文の作成では、大学の資料館に収蔵されていた香川県国分台遺跡の膨大な数量のサヌカイト製石器遺物を詳細に分析する機会を得ました。これはその後の自身の研究を方向づけた大きな転機となりました。

■今の職場に入ってからは、大阪市内のいろいろな遺跡を発掘しています。それでも長原遺跡や瓜破北遺跡など、偶然とはいえ、何かと旧石器時代の遺跡調査に関わる機会は多かったといえます。これらの遺跡から出土した二上山のサヌカイト製石器遺物を中心として、西日本の旧石器時代と石器製作技術をメイン・テーマに研究を進めてきました。また、在職中に1年間にわたり韓国の全谷里遺跡の発掘調査に参加できたことは、研究の幅を拡げる上でとても貴重で得がたい経験となりました。

■2015年4月から出向しているかながわ考古学財団では、神奈川県伊勢原市の西富岡遺跡を発掘調査中です。ここでも旧石器と関わっていく予感が....大いにありそうです。

おもな研究業績

※研究所業務に関わるもののみを掲載します。
詳細は研究者情報(researchmap)を参照してください。

■(編・共著)『大阪市平野区長原遺跡東部地区発掘調査報告V』、(財)大阪市文化財協会、A4判265頁(2000年3月)

■(編・共著)『旧石器人たちの活動をさぐる −日本と韓国の旧石器研究から−』、大阪市学芸員等共同研究・朝鮮半島総合学術調査団、A4判頁数411頁(2003年3月)

■(編著)『大阪市平野区瓜破北遺跡発掘調査報告X』、(財)大阪市文化財協会、A4判138頁(2009年3月)

■(編著)『大阪市平野区長原遺跡発掘調査報告][』、(財)大阪市文化財協会、A4判136頁(2009年3月)

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